乗るなり突然
「これ11回だが!」
おいらがよほど疲れていて聞き間違えたのか、タクシーのオヤジがおかしいのか
しばらくすると「これで11回裏だが!これで終わりだ」
カーオーディオを指差しながら言った。
あぁ、野球の話をしているのか。ようやく気づき適当に話を合わせる。
すまんがオヤジ、おいらは野球に微塵も興味が無いんだ。心の中でつぶやく。
オヤジはさらに嬉しそうに話す。
年は60ほどだろうか。おいらの親父と同じくらいか。
無性に実家に帰りたくなる。
「ここらへんでいいだろう?」
何も言ってないのに、下りる所を勝手に決められる。
まぁいいか、すぐそこだしと思い下車する。
手を振り上げ戻っていくオヤジ。
さり気なく一方通行逆走だぞ、そっちは…。
おいらは歩きながらニヤッと口元が緩んだ。
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